相談員通信
Antique door(沼津市)「 ~相談から実現へ~ 様々なニーズに対応する『まちの総合相談室』」

『Antique door』
『Antique door』は、沼津市の住宅街にあります。
JR御殿場線大岡駅から徒歩15分という決して便利とはいえない立地にありながら、創業したい人、チャレンジしたい人、移住したい人、まちを良くしたい人など様々な思いをもった人たちが集まる場です。
1階は、創業希望者向けのチャレンジショップ。2階には、『Antique door』の事務所と会員制のコワーキングスペースがあります。コワーキングスペースは、イベントスペースや撮影の場としても活用されることがあるそうです。
チャレンジしたい人の背中を押す場所

『Antique door』2階 有限会社 日の出企画事務所
この建物の大家であり『Antique door』の経営者でもある山田知弘さんは、三島市出身。
過去には、ハウスメーカー(掛川市・袋井市・磐田市)や税理士事務所(浜松市)で勤めていました。住宅の営業や相談、相続相談、保険の相談など経験は多岐に渡ります。
その後地元の三島市に帰り、『有限会社 日の出企画』の代表取締役に。東部地域全般の移住・Uターン・起業・創業相談、相続相談、空き家の利活用・住宅相談を主に行っています。
ひらめき、行動し、大家になった

会員制のコワーキングスペース
1階のチャレンジショップは、奥さんが経営していたカフェにお客さまとして来ていた一場さんとの雑談がきっかけで生まれました。
「早期リタイアをして自家焙煎のコーヒー豆屋を開業したい。」と話す一場さんの思いに山田さんはひらめき、行動します。
「昔の大家さんのように手間隙をかけ、自分の物件で人を育てていきたい。何かをやり始めようとしている人の手助けをしたい」と考え、築35年の建物を購入後リノベーションし『Antique door』の大家になりました。
チャレンジショップは、最長2年体験できます。
「1年だけだと、季節変動がわからない。季節変動を繰り返すことで、課題が見えてくることがある。」と山田さんは言います。
それらの課題を解決するために、連携している行政書士や税理士等を紹介することもあるのだそう。
チャレンジショップは今年で6年目になりました。最初の卒業者の一場さんは現在、伊豆の国市で自家焙煎のコーヒー豆屋を開業をし、他の卒業者も新たな場所で道を切り開いています。
チャレンジショップのその先に

1階に入居する『Art+interior Coordinate』主宰 アートライフスタイリストマスター 伏見 左幸子さん
現在、1階のスペースにはギャラリー『Interior Art GALLERY DECO』が入居しています。
ギャラリーを運営する伏見さんは、当初は2階のコワーキングスペースに入居していました。退去後しばらく別の場所でギャラリーを運営していましたが、再び『Antique door』へ戻り、ギャラリーを運営しています。
山田さんにとって『Antique door』は、「場所を貸す」のではなく、「関係性を貸す場所」であり、「空いた空間をお互いが使いこなす場所」だと言います。
伏見さんが紹介した作家が2階を装飾したり、1階と2階を連動させてイベントを開催したりと ‟人と人の新たな関係性を育む良い循環” が生まれています。
移住希望者に伝えたいこと

『Antique door』大家 有限会社日の出企画 代表取締役 山田 知弘さん
自身のことを「まちの総合相談室」のような存在と言う山田さん。
「すぐに移住したいという人の相談にも対応していますが、移住検討中に色々調べたり、見ていく中で方向性を見失ったり、行き詰まったら来てください。あるいはここに最初に来てもらうのが良いのかもしれません。2年ぐらいかけてゆっくり移住や起業を検討してみてもいいと思います。気軽に遊びに来てください。」と言います。
-そのまちに住む人のことを考え、働く人・住む人を増やしたい-
山田さんの思いが人を呼び、人を育て、交流の輪を広げていくように感じました。
掲載日:2022年4月5日
この記事について
Antique door(運営:有限会社 日の出企画)