相談員通信
『NPO法人 里山会公文名ファイブ』自然と人をつなぐ里山(裾野市)~里山で遊ぼう!学ぼう!~
『NPO法人 里山会公文名(さとやまかいくもみょう)ファイブ』が活動している裾野市(すそのし)は、人口50,000人ほどの小都市。富士山・箱根外輪山三国山(はこねがいりんざんみくにやま)・愛鷹山(あしたかやま)の裾野に位置しています。自然が身近にありながら、東京から100㎞圏内のため、首都圏へのアクセスの良さも魅力です。
自然だけではなく、アミューズメントも充実しています。標高850メートルのところには、国内最大規模のサファリパーク『富士サファリパーク』があり、世界中から集まった動物達を間近に見ることができます。また、標高1,450メートルのところにある日本一早くオープンする屋外スキー場『スノータウンYeti(イエティ)』は、一足早くスキーを楽しめる話題のスポットです。※令和4年度は、10月21日オープン
裾野市の特産品は、イチゴ、大和芋(やまといも)、たけのこ、すそのポーク、酒米、モロヘイヤなどがあります。ご当地グルメ『すその水ギョーザ』は、もちもちした食感が特徴の餃子の皮に、特産品のモロヘイヤが練り込まれ、具には裾野産茶葉を使用するなど、裾野市の魅力を食でも感じることができます。
人と動物が共存共栄する『仙郷の森』
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『仙郷の森』多目的広場 竹の柵は、動物からドングリの苗を守るためのもの
10月中旬、箱根外輪山三国山西麓の里山にある『仙郷(せんごう)の森』で、「さとやま自然楽校(親子体験学習)静岡県民森づくり大作戦」が開催されました。
主催は、森林(里山)環境学習に取り組む『NPO法人 里山会公文名ファイブ』。
里山というフィールドを活用し、 “地域の宝、里山をこどもたちへ“ を合言葉に、様々な自然体験活動を展開しています。大人も子どもも目を輝かせて、わくわくドキドキしながら自然に触れ、人と森林とのつながりを学ぶことができます。
車を停めて山道を10分ほど歩くと、活動場所である『仙郷の森』多目的広場に辿り着きます。
山道には、動物の足跡や糞が落ちていたり。鳥や虫の鳴き声、風にそよぐ葉音も聞こえ、生き物たちの息吹を感じることができます。
『仙郷の森』多目的広場に到着すると、ドングリ(落葉広葉樹)の苗がたくさん植えてありました。元々この広場は竹が生い茂る放置竹林でしたが、一生懸命整備をしたことで、野鳥や昆虫が寄ってくる豊かな森になったんだそう。
さとやま自然楽校

『NPO法人 里山会公文名ファイブ』理事長 須藤 九十九(すどう つくも)さんと参加者
この日は、裾野市に住む志田さん親子が参加しました。小学4年生の陽津(あきつ)くんと小学2年生の陽里(ひさと)くんは、森に来るのは2回目だそう。
須藤さんからの最初のミッションは、「葉っぱを5枚採ってくる」こと。
多くの草木の中から気になった葉っぱを集めて、全員集合!!
葉っぱでじゃんけんをしたり、様々な形状の葉っぱを見比べ、感想を伝え合いました。
「次は、気になる木を触ってこよう!!」
それぞれが気になる木を触りに行き、感想を共有しました。
「ざらざらしてる」「べたべたしていた」「あたたかいと感じた」「樹液を見つけた!」
感じたことを伝え合い共有することは、子どもだけではなく、大人も発見の連続でした。
森をつくる体験

ドングリ(コナラ・クヌギ)の種まき
須藤さんは、この日のためにドングリをたくさん拾ってきてくれました。
水をたっぷり入れたバケツにドングリを入れます。浮かんでくるドングリは、虫に寄生されている可能性があり発芽しないため、沈んでいるドングリだけを取り出し植えました。植えた後は、土壌改良剤を散布。イノシシや鹿などの動植物に荒らされないように、竹の柵で囲い作業は終了です。手間をかけ、たくさん植えても、発芽するのは数本なのだそう。
ーー須藤さんと自然の中を歩くと、子どもも大人も新しい発見がたくさんあります。
「これは、陸(おか)わさび。陸わさびは山で採れるわさびなんだよ。噛んでごらん。辛いでしょ?」「あれは、和紙の原料になる三椏(みつまた)だよ。なぜ三椏と言うかわかるかな?1本の枝から3本の枝が分かれているからだよ」と、説明をしてくれました
森の恵みがもたらすもの

ウラジロ(シダ植物門ウラジロ科)の葉っぱを飛ばし合う兄弟
「裾野市にある自然豊かな里山を子どもたちへ継承したいという想いが、活動の原動力になっています。活動を通して作ったウォーキングコースは30以上!全て自身で歩いてコースを考えました。また、子どもの頃は、自分で遊びも作っていたんですよ。」と須藤さんは話します。
ーー工夫をして遊びを作ること
「子どもたちは自然の中での遊び方を知っているので、楽しく暮らしています」と、参加者の志田さん。
帰り道、大きなウラジロの葉っぱを見つけた兄弟は、紙飛行機のように葉っぱを遠くに飛ばし合い楽しんでいました。
里山は、発見がいっぱい!!
自然の中でのびのびと遊ぶことは、 “生きる力” を育むことにつながると感じました。
掲載日:2022年11月30日
この記事について
NPO法人里山会公文名ファイブ