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先輩移住者の声

vol.19

忙しい日常と会社勤めに疑問を感じ、のどかな土地での農業を始める

掲載日2021年01月29日
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埼玉県から吉田町へ移住 岡安さん

忙しい日常と会社勤めに疑問を感じ、のどかな土地での農業を始める

駿河湾、大井川、牧之原台地に抱かれる静岡県榛原郡(はいばらぐん)吉田町(よしだちょう)。東名高速道路吉田インターチェンジや、富士山静岡空港にも近く、交通網が充実した町です。町を訪れるとまず目に入るのは「展望台小山城(こやまじょう)」。武田信玄が築城した城で、今も武田氏ゆかりの品々が残ります。吉田町の名産品は、メロン、ウナギ、レタス、かりんとう、シラス。そのうちの一つ、レタスを生産する農業を始めた岡安智史(おかやすさとし)さんに、就農のきっかけや移住についてのお話を伺いました。

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吉田町で就農することになった経緯を教えてください

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埼玉で育ち、東京の大学へ進学した後、そのまま東京の会社へ就職しました。大学の時から付き合っていた妻と、2006年に結婚。妻はもともと吉田町出身で、大学卒業後は地元に戻っていました。結婚を機に、埼玉へ移り住み、メーカーの営業職に転職しました。
30歳を過ぎて、このまま会社員を続けることに疑問を抱くように。自分でイチから何かをはじめてみたい。そんな気持ちがフツフツと湧いてきました。
義父(妻の父)が吉田町でお茶とお米を作る兼業農家をやっていたので、東京・池袋で開催していた「新農業人フェア」というイベントになんとなく顔を出してみました。フェアにはさまざまな都道府県のブースがあり、いろいろなブースに立ち寄ったのですが、使える土地が耕作放棄地で状態が悪いなど、なかなか条件に合う地域が見つかりませんでした。
最終的に新規就農を考えた時、義父が持つ田畑を活用した方がいいのではないかと思い、吉田町での就農を決めました。当時、幼稚園に通う2人の子どもがいましたが、吉田町で農業を始めることに対して妻も応援してくれたので、それもありがたかったですね。

レタス栽培を選んだのはなぜですか?

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就農にあたり、静岡県で実施している「がんばる新農業人支援事業」を活用しました。当時、静岡県で募集していたのがイチゴ、トマト、レタス。吉田町の特産品でもレタスは、市場でも評価が高い品なんですよ。初期投資を抑えたかったので、ビニールハウスがなくてもできる露地栽培の作物を選んだのも一つの理由です。支援事業では先輩農家の下で一年間研修を受けることができるので、研修を経て、2017年に事業をスタートしました。
今は、吉田町の若手農家の集まり「楽農部会」にも所属しています。「楽農部会」は、農家同士の交流や情報交換などはもちろん、近くの小学校で落花生やサツモイモなどの農作物を植える食育の授業を行ったり、「小山城まつり」でイベントを実施したりするなどの活動をしています。IT企業と二足のわらじを履きながら農業をしている人など、いろいろな境遇の人が。自分と同じようにイチから農業を始めた仲間がいるので、とても心強いですね。

吉田町へ移住して、生活に変化はありましたか?

埼玉で会社勤めしている時は、朝6時半に家を出て、家に帰るのは22時頃。平日、子どもと接する時間はほとんどありませんでした。今は、朝は早いものの、日がくれたら作業は終了するので、17時には家にいますね。子どもたちと遊んだり、習い事の送迎をしたりと、子どもと接する時間が増えたのが一番大きいですね。
吉田町は、畑や自然が多い場所。県営の吉田公園へピクニックへ行ったり、海へ行ったりと、自然を感じながら遊べるスポットが多いんですよ。普段の生活の中でも、子どもたちは近所で虫やカエル・オタマジャクシを捕まえたり、畑の仕事を手伝ったりと自然を満喫しています。
また、静岡は新鮮な魚が手に入りやすい場所! 埼玉にいた頃はほとんど口にすることがなかったお刺身を、吉田町に来てからはよく食べるようになりました。吉田町は、ウナギも特産。吉田町に来たら、ぜひウナギを食べてほしいと思います!
東名高速道路のインターチェンジが近いのも魅力。時々、家族で静岡市まで買い物へ出かけたり、磐田(いわた)市の公園や浜松にある施設に遊びに行ったりと、本当によく出かけます。車で1時間も行けば、いろいろな観光・遊び場スポットが多いのも静岡の魅力だと思います。

吉田町への移住を考えている方、新しく農業を始められる方へのアドバイスをお願いします

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吉田町の魅力は、景色がよくて、気候が温暖なところ。雪が降らないのも魅力ですね。そして、穏やかでやわらかい物腰の人が多い土地です。新規就農者が増えてきていることもあり、地元の人々も移住者を受け入れてくれる印象があります。農作業をしていると、農家をやっているおじいちゃんたちが気さくに声をかけてくれるんですよ。「だもんでね〜」が吉田町の人々の口癖。やわらかい口調で気に入っていて、つい自分も真似してしまいます。田畑に囲まれたのどかな雰囲気は、のどかな人々を育みますね。
また、静岡県は、新規就農者に対しての支援制度が整っていると思います。自分が受けた研修では、農業の知識はもちろん、経営などの実務的な部分も教えてもらえました。私は義父や親戚が所有していた土地を活用しましたが、新規就農者向けに土地を紹介してくれる制度もあります。ただ、研修期間は収入があまり期待できないので、新しく農業を始めたいと考えている方は、当面、収入がなくても生活できる費用があると安心だと思います。

  
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