「伊豆の山々」に他にはない大きな魅力を見出し移住

大阪府から伊豆市へ移住 山崎さん
「伊豆の山々」に他にはない大きな魅力を見出し移住
静岡県内でも観光地として人気の伊豆半島、伊豆市。
歴史ある建物、数々の温泉、美しい海などさまざまな魅力を持ち、年間300万人以上が訪れるこの地に移住してきたのが、アウトドア用品店「SANKAKU STAND(サンカクスタンド)」を経営する山崎さん夫妻です。
二人が移住してきた最大の理由は「伊豆の山々」。
比較的注目されることが少ないですが、二人はこの「伊豆の山々」に他にはない大きな魅力を見出したのです。

伊豆市に移住した経緯を教えてください

令和元年に結婚した私たち夫婦は、結婚した直後から休日には移住先を探す生活を1年間送ってきました。
大阪に住んでいたころから、登山者向けのアウトドアショップ兼ゲストハウスを開きたいと思っており、その夢を叶えられる場所を探していました。
登山と聞いて伊豆が思い浮かぶ人は少ないかもしれません。
それでも伊豆の山は私たちにとっては特別でした。
伊豆で登山をした時に見えた絶景。
山頂から駿河湾越しの富士山が見えたんです。駿河湾と富士山、ふたつの自然が重なった絶景に感動して「ここは登山をするのに気持ちのいいところだな」と思いました。
伊豆には低山で登山を普段しない人でも気軽に登れる山が多いのも特徴です。私たちにはアウトドア初心者の方に登山のおもしろさを伝えたいという思いがあります。そういった背景も含めて、私たちの条件で見たときに伊豆は理想的な環境でした。
どんなお仕事をしているんですか

アウトドア用品店「SANKAKU STAND(サンカクスタンド)」の経営がメインの仕事です。二人共移住前に4年間アウトドアショップで働いていたので、その時の経験を活かしています。
お店は伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺駅前にあります。立地としては、観光客の方が多くいらっしゃるエリアです。
観光客が多いエリアということもあってか、地域の方も外から来た人に対して寛容で、「若い人が来てくれた」と歓迎して受け入れてくれました。
特にお店を開業するまでの準備期間は、地域で長くお店を経営している方にたくさんアドバイスを頂きとても助かりました。
「SANKAKU STAND(サンカクスタンド)」の他にもう一つ収入の柱となっているのがYouTubeです。
移住当初はYouTubeが収入になるとは思っていなかったのですが、有難いことにチャンネル登録者が5万人を超えるなど多くの方に見て頂いて収入を得ることができています。
私たちのYouTubeチャンネルでは、伊豆の山などを紹介しています。伊豆の山についてはまだインターネット上で得られる情報も少なく、多くの方が喜んでくれているようです。
例えば伊豆の海の情報はインターネット上でも豊富です。
しかし、たくさんの素晴らしい山があるのに山の情報は海ほど多くはありません。これは、情報があふれている都市部を離れるとインターネット上でまだ発信されていない宝物が眠っていることを意味します。
住んでいる人にとっては日常になってしまっていて気づいていないけれど、実はすごい魅力を秘めているのが伊豆。
自然はもちろん、食べ物、遊べる場所など、まだまだ知られていない魅力があると思います。地元の方が気づいていない魅力に気付けるという意味でも、移住者は地域の魅力の発信に適していると思います。
休日の過ごし方を教えてください

休日は基本的にはYouTube撮影をしながら登山をしています。半分は伊豆半島の山、残り半分は伊豆以外の山で過ごしています。
伊豆市に住んで約2年になりますが、それでもまだまだ伊豆の山は知らないことばかり。一度行った山でも春夏秋冬、季節によって違う味わいがあります。今後も時間をかけて伊豆の山を楽しみつつ発信をしていきたいです。
伊豆の山は、稜線(りょうせん)と呼ばれる見晴らしが良くて歩いていて気持ちの良い場所が多いのも特徴です。
登山をあまりしたことがない方でも、楽しみながら歩くことができるのではないかと思います。また、温泉が多いので下山後は温泉でゆっくりと汗と疲れを流すこともできます。
今後は伊豆の登山者を増やしたいという野望もあります。私たちのYouTubeやお店をきっかけに、伊豆半島に登山のリュックを背負った人が増えたら嬉しいですね。
伊豆の魅力と移住を考えている方へのメッセージをお願いします。

私たちは現在、伊豆でも比較的市街地で生活をしています。
移住というと「自然の中での新しい生活」と考える人もいるかもしれません。私たち自身も移住を考えた当初はもっと自然の多い環境を選ぼうかと考えたこともありました。
しかし、それまでの生活といきなり大きく環境を変えすぎるのは大変な面もあると思います。
例えば、急に何か買いたいと思っても気軽にコンビニに行けないのは不便です。特に、これまで都市部で生活していた人であればあるほど、それは注意が必要だと思います。その点を考慮し、移住先でもまずは生活をしやすい場所に居を構えてみてはいかがでしょうか。
慣れたところで、もっと自然の多い環境が良いと思ったら引っ越すことも可能です。
今私たちは、自分が「好き!」と思った場所に思い切って住む決断をしたことに、すごく満足しています。ぜひあなたの好きな場所を見つけてみてください。
また、私たちのように働きながら移住先を探すという人もいると思います。
仕事によっては、日程的に移住先を見つけるためのイベントに参加しにくかったり、行政の相談に行く時間を作りにくいということもあります。しかし、私たちも1年間をかけて、ベストな移住先を見つけることができました。移住先を見つけることも楽しい時間です。焦らずに条件に合致する移住先を見つけてほしいと思います。