大好きな焼津の海を起点に、まちおこしに取り組む
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東京都から焼津市へ移住 長尾さん
大好きな焼津の海を起点に、まちおこしに取り組む
東京と名古屋のちょうど中間に位置する静岡県中部の焼津市。富士山と駿河湾を一望できる美しい景観に恵まれており、全国有数の水揚げ額を誇る焼津漁港があるなど水産業が盛んな街としても知られています。そんな焼津市に2022年2月に移住してきた長尾紘一さんを惹きつけたのは、豊かな海。テレワークをこなす一方、漁師として活動し、海の豊かさ、大切さを伝えることで、まちおこしにつなげようと試みています。
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焼津市に移住した経緯を教えてください

父が転勤族だったため、子供の頃からいろんなまちを転々としてきました。その中でも、特に思い入れがあったまちが、母の実家があり、よく訪れていた焼津市でした。遠洋漁業で栄える港町独特の活気のある雰囲気には、大人になってからも魅力を感じていました。
移住する前は東京の企業に勤めていたのですが、海洋系の大学出身で海が大好きだったということもあり、いつかは独立して海に関わる仕事をしたいという気持ちを持ち続けていました。そこで、一念発起して、仕事を業務委託契約に切り替えてもらい、焼津に移住して海に関わっていくことに決めました。
お仕事について教えてください
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現在も東京の企業の仕事を業務委託として続けており、作業は基本的にテレワークで行っています。東京で仕事がある時も1時間半程度で行けるので苦になりません。
焼津で新しく始めた仕事は漁師です。春と秋は桜エビ漁、それ以外の時期はシラス漁がメインで、釣り船も運営しています。また、漁師の先輩と一緒に重さ100kgを超えるようなカジキマグロを釣る漁業体験ツアーも実施しています。他にも、初心者向けに釣り教室を開催するなど、釣りの楽しさや海の豊かさを伝える活動を行っています。普段は午前中に漁師として働き、午後からテレワークを始めることが多いですね。
新たに取り組もうとしているのが、民泊の経営です。空き家だった場所を借りてリノベーションを進めており、釣った魚を捌いて食べられるキッチンを作ったり、宿泊スペースを作ったりしています。これも海をもっと楽しんでもらうための試みの一つです。
持続可能な水産業を実現したいという夢があるのですが、そのためには現場を知らなくてはなりません。いま行っていることは、そのための第一歩だと思っています。
休日の過ごし方について教えてください

なるべく、仕事の日と休日を分けて考えないようにしています。毎日が仕事で毎日が遊びという感覚ですね。時間に余裕がある時は、焼津で仲良くなった友人とダイビングをして海中清掃をしたり、カヤックフィッシングをしたり、キャンプに行ったり自然の中で遊ぶことが多いですが、結局それも仕事につながっています。僕の仕事は自分が楽しいと思ったことを人に伝えることだと思っています。

焼津駅前通り商店街にあるカフェ&ワークスペース「PLAY BALL ! CAFE」に行くのも楽しみの一つです。地域の方々はもちろん、観光客やクリエイターなど様々な人が集まっていて、つながりがどんどん増えていくんです。移住する時は、人間関係をうまく作れるか少し不安に感じたこともありましたが、「PLAY BALL ! CAFE」では移住者同士の交流イベントが開催されたり、何かやりたいことや知りたいことがあれば、すぐに人をつないでくれたりしたため、あっという間に人間関係が広がりました。
移住を考えている人へ焼津市の魅力を教えてください
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焼津には本当にたくさんの魅力がありますが、僕にとってはやはり海がすぐ近くにある環境が最高ですね。ちょっと時間がある時にふらりと海に行くなんて、都会で生活していた時は考えられませんでしたから。富士山が日常にある暮らしにも幸せを感じます。仕事が終わって夕方帰ってくる時、夕日に赤く染まった富士山を見ると今日も1日頑張ってよかったと思えます。そんな豊かな自然環境がありながら、静岡駅から新幹線に乗れば、東京にも名古屋にも1時間程度で行ける恵まれた立地にあるのも魅力ですね。テレワークをするのにも最適なエリアではないでしょうか。
駿河湾で獲れる海の幸だけでなく、柑橘類やお茶、ワサビなど、様々な美味しい食材が安く手に入るのも嬉しいですね。また、歴史的にも地理的にも昔から平和な地域だったようで、本当に温厚な人が多く、気軽に声をかけてもらえるなど、日々、人の温かみが感じられます。移住するにあたって最初は知り合いがいなくて不安に感じることがあるかもしれませんが、地域のコミュニティに思い切って飛び込んでみれば、きっと良い出会いがあるはずです。