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先輩移住者の声

vol.70

農業を通して地域や福祉に貢献したい

掲載日2022年11月29日
御前崎市 ゆとりある生活 自然 Iターン 単身
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埼玉県から御前崎市へ移住 南雲さん

農業を通して地域や福祉に貢献したい

静岡県西部の南端に位置する御前崎市は、遠州灘に面しており、太平洋の雄大な景観を望むことができるまちです。海側では海産物が豊富に獲れる一方、山間部ではお茶やお米をはじめとした農作物の栽培が盛んで、地の食材に恵まれた地域でもあります。埼玉県出身の南雲仁志(なぐも ひとし)さんが、新規就農を志して御前崎市に移住してきたのは3年前のこと。現在は都会でサラリーマン生活を送っていた頃には考えられなかった自由な時間を満喫する一方、イチゴ農家を営みながら御前崎市では初の農福連携事業にも取り組んでいます。

※農福連携とは…障がい者や高齢者などが農業分野で活躍し、自信や生きがいを持ち、社会参画を実現する取組

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御前崎市に移住した経緯を教えてください

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埼玉県に住み、電車で東京の会社に通うという、時間に追われる毎日に、東京から離れてもう少し自分のペースで暮らしてみたいという思いが強くなっていきました。そんな時、体調を崩して入院生活を送ることになり、あらためて自分の暮らし方や働き方を見つめ直したんです。そこで思い至ったのが、地方へ移住して新規就農するということでした。入院中に病院食を食べていたのですが、それがとても美味しく感じられ、食の大切さをあらためて実感しました。家庭菜園を趣味にしていたこともあり、自分が作った野菜もこんなふうに誰かに美味しく食べてもらいたいと思ったんです。
以前、農業は農家を継いだ人がやるものだと思っていましたが、近年では新規就農も盛んになっていることを知り、農業フェアや移住相談会に参加して、実現可能かどうか検討を進めました。就農先として静岡県を選んだ大きな理由の一つが、新規就農の支援制度が充実していたことです。ベテランの農家の方に1年間指導してもらえる研修制度があるうえ、農地探しをバックアップしてくれたり、作物の売り先の確保もサポートしてくれるのです。そのおかげで安心して就農することができました。

お仕事について教えてください

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就農2年目になりますが、現在はイチゴのビニールハウス栽培を手がけています。イチゴを選んだ理由は、多くの人に愛されている果物で静岡県の名産品になっていることが、決め手でした。扱っているのは「紅ほっぺ」という品種です。赤くて、甘くて、大きいイチゴとして好評をいただいています。夏場に苗を育て、それをビニールハウスの畑に植え替えて、冬場から収穫を始めます。商品のパック詰めなどの作業も農家としての仕事です。
就農1年目から、地域の障がいのある方々に農作業を手伝っていただく「農福連携」に取り組みました。私自身、入院して思うように動けなかった時に、障がいのある方に働ける場を提供することの必要性を感じたことがきっかけです。御前崎市では、障がいのある方の働き口が少なくなっている一方、農家は人手不足で困っています。そこで、繁忙期には福祉事業所と連携し、様々な作業を協力してもらっています。福祉事業所の職員と相談し、障がいに応じた作業を適材適所で割り振り、誰もが作業しやすくなるように手順を工夫しました。「農福連携」で御前崎市に良いサイクルを作れたらと考えています。

休日の過ごし方について教えてください

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サラリーマン生活を送っていた時は、食事は毎日コンビニ弁当か外食でしたが、時間に余裕ができたので、今は自炊を楽しんでいます。御前崎市は海が生活に密着しており、近くのスーパーでも驚くほど新鮮で美味しい魚が安く手に入るんです。移住してから「静岡県産」を多く手に取るようになり、地産地消に貢献したいと思うようになりました。

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海のない埼玉県出身なので、海がすぐ近くにある暮らしも気に入っています。何をするでもなく、海をボーッと眺めるのも私にとって大切な癒しの時間になっています。
東京と違って、映画館などの娯楽施設も近くにありませんし、飲食店も少ないですが、その分、違う楽しみが見つけられます。以前は出勤時間や電車の時間など、常に時間を気にして暮らしていましたが、今は自分のペースで時間に縛られずに働けています。そのため、必要不可欠だったはずの腕時計も着けなくなってしまいました。目が覚めたら活動して、暗くなったら家でゆっくり過ごす。そんな今の生活にとても満足しています。

移住を考えている人へ御前崎市の魅力を教えてください

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新規就農を志す人にとって、御前崎市はとても良い場所だと思います。受け入れ態勢が整っていますし、農家を営む仲間や先輩もたくさんいます。研修が終わった後も受け入れ先の農家の方とのつながりは続きますし、新規就農者同士の接点も多くあります。困ったことがあれば、すぐに相談できる人がいるのはとても心強いですね。知らない土地で就農することに対して、やはり不安はありましたが、地域の人たちに支えていただいたおかげで今では楽しく農業に取り組めています。

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移住したり、新しいことを始めるには、不安はつきまとうものですが、あまりネガティブなことを考えすぎずに、挑戦してみて、楽しむことをおすすめします。自分が移住してやりたいことを明確にして、楽しいことをたくさん想像して、それを実践すればきっとうまくいくと思います。

  
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