愛知県豊川市で生まれたのですが、キャンプへ行ったり、一緒に暮らしていた祖父が家庭菜園や盆栽をやっていたりしたことから、自然や木について興味を持つようになりました。大学では林業を専攻し、木について深く学びましたが、卒業後は自然とは関係がない事務職に就き、30歳まで名古屋で過ごしました。「自分がやりたいことを見つめ直したい」と30歳の節目に転職。地元・豊川へ戻り、造園業の会社で庭師として再就職しました。ただ、いわゆる庭師らしい仕事は少なく、実際は街路樹の選定や公園管理、草刈りの仕事が中心。２年ほど働きましたが、再度、自分を見つめ直すために退職し、自然豊かな場所への移住を考えるようになりました。
2018年夏、インターネットで移住先を探していたところ、「島田市川根町林業体験ツアー」を見つけました。島田市は移住に力を入れていて、情報も充実。移住しやすい印象を受けました。早速、２泊３日のツアーに参加。川根で地域おこし協力隊として活動されている方の案内で、山で実際に木を切らせてもらうなどの林業体験をしたり、森林組合の方の話を聞かせてもらったりしました。また、川根の観光や、ちょうど開催されていたパラグライターの世界大会を見学。そして、茶畑の中を走るSLの姿を見た時「なんていいところなんだろう！」とすっかり川根に惚れ込んでしまいました。
家に戻ってから川根での家探しや仕事探しを始め、その年の秋には川根に移住しました。

東京での就職活動をしていたこともあったので、よく新幹線に乗って静岡県を通っていたのですが、「静岡はなんて長い県なんだろう」「富士山がでっかいなぁ」という印象があったくらい。でも、実は幼稚園に上がるより前の小さな頃、両親の仕事の関係で静岡県御殿場市に住んでいたことがあるみたいなんです。
愛知県豊川市は、静岡県にとても近い立地なので、浜松市や旧・三ヶ日町（現・浜松市北区）には時々遊びに来ていましたが、島田市については知りませんでした。ただ、雑誌で「川根のお茶は高級茶」という記事を読んだことがあったので、川根の名前は知っていました。

現在、森林組合で働いています。林業体験ツアーの時に訪れた森林組合で、組合長さんから森の作り方の話を聞いて、とても共感できたんです。山の調査等を行う時には、どこに道が通って、どこの木を伐採できるかなどを考えていくのですが、適切に間伐すると、太陽の光が下の方の植物にも当たり、山が明るく元気になるんです。森は生きてるんだなぁと実感できる仕事で、知れば知るほど奥が深く、素敵な仕事だと思っています。今はまだ経験不足で測量や植生調査などはできませんが、いずれは覚えられたらと思っています。
家は、「島田市川根地区空き家バンク」を通じて探しました。３万円前後で１軒屋が借りられるんですよ。私はネコを飼っているので、ペット可能、駐車場有り、家庭菜園付きで探したため、少しお値段高めの物件ですが、5DKと十分な広さ。音楽が好きで１年ほど前から島田市内にギターを習いに行っているのですが、一軒家なので、家でギターの練習をしても近所迷惑にならないのもいいですね。家庭菜園では、ニンジンやカリフラワー、ジャガイモ、カブなどの野菜や、ハーブ類を育てています。菜園スペースはかなり広いのですが、草刈りが追い付かず、今はまだ小さなスペースで育てています。