大好きな伊豆に住みたくて。伊東から東京へ新幹線通勤することを選択

神奈川県から伊東市へ移住 大曽根さん
大好きな伊豆に住みたくて。伊東から東京へ新幹線通勤することを選択
首都圏からのアクセスもよく、全国有数の温泉地でもある伊東市。相模灘に面した海と山と温泉がある場所なので、別荘地としても人気です。中には温泉権付きの中古住宅もあり、別荘としてはもちろん、移住者向けの住宅としても利用されているようです。
東京の企業に勤める大曽根崇さんは、高校卒業まで岐阜県で暮らし、大学進学に伴い、首都圏へ。青森県出身の奥様と結婚後、首都圏を転々とした後、神奈川でマンションを購入しましたが、2019年秋に伊東市内に中古物件を購入。伊東市へ移住してきました。伊東から東京へ通勤する大曽根さんに、移住の経緯や通勤のこと、別荘地ならではの暮らしのことなどについて伺いました。

伊東市へ移住したのはなぜですか?

結婚前から犬を飼っており、これまでにも犬が過ごしやすい環境を求め、東京都内を転々としていました。2004年に結婚し、2006年には神奈川県でマンションを購入。犬を飼っていると賃貸では気を遣うので、マンションを購入した方がよいのではと思ったんです。
夫婦ともに伊豆が好きで、週末になると下田の辺りで釣りやSUPをしたり、南伊豆でキャンプをしたりしていました。月2〜3回は来ていたのではないでしょうか。散歩しやすい遊歩道があるなど、犬にとって伊豆は理想の環境。もともとはインドア派だったのですが、ホテル等に宿泊するとお金がかかるので、やがてキャンプをするようになり、それから派生して釣りやSUPなどのアウトドア遊びもするようになりました。
「いつか伊豆で暮らせたらいいね」と話すようになったのは自然な流れでした。2017年頃から土地を探すようになり、やがて中古物件を探すようになりました。2019年、地元の不動産会社を通じて、今の家に出会い、2019年9月、住んでいたマンションを売却し、伊東市へ移住してきました。
実は、移住に際して、妻は「いつかは…」と思っていた程度で、定年後くらいではと考えていたようです。実際、妻も仕事をしていましたし、友人も近隣に多くいたので消極的ではありました。何度か話し合いを重ね、見に行った部屋が本当に素敵だったんです。有名な建築家のレプリカだそうで、ここでならということになりました。首都圏での暮らしを捨ててもいいと思える家に出会えたことは幸運でした。
仕事やこれまでの生活との兼ね合いは大丈夫だったのでしょうか?

勤めている会社は、リモートで仕事をすることが可能でした。ただ、クライアントと対面で話すことがあるため、週3〜4日ほどは東京の職場へ通勤が必要でした。そのため、通勤圏内であることは必須条件。伊豆高原や白田近辺で家を探しました。
今は伊豆高原駅から熱海を乗り継ぎ新幹線で品川駅へ、そこから職場まで山手線を利用して通勤しています。だいたい片道2時間程度ですね。通勤する日は、職場の最寄駅に着くと、毎日妻に「帰りたい」とメールし、昼にも「帰りたい」とメールするほど。やはり東京は落ち着かないですね…。それほど伊東での暮らしがのんびりしていて大好きです。
会社からの交通費は、上限があるため、半分程度自分で負担しています。住宅ローンの金額はかなり下がったので、全体の生活費はむしろ抑えられていると思います。
別荘地での定住生活は他とは違う部分がありますか?
別荘地なので、オフシーズンは閑散としているかと思ったのですが、思っていた以上に定住している方も多く、近所の方と話すこともあります。やはり定年退職後の方が多い印象ですね。スーパー、薬局、コンビニ、ホームセンターもあり、生活に不便は感じません。スーパーには生簀があり、生きた魚を買うこともできるんですよ。
今の家は、以前の持ち主が温泉権を設定しており、家で温泉に入ることができるのは魅力的です。あと2年ほどはそのまま使えるのですが、それ以降はお金がかかるそう 。やっぱり水道水のお風呂とは異なり、温泉はいいですね。年末年始に実家に帰った際も、お風呂の水の匂いが気になったくらいです。家庭用の温泉なので、硫黄の固形物が付着することもなく、お手入れも簡単です。
敷地が広いため、時にはチェンソーで木を切ったり、草刈機で草を刈ったりすることもあります。以前の自分では考えられなかった新しい経験ですね。こういった作業を専門に行ってくれる業者もありますが、せっかくなので私は楽しみながら自分でやることにしています。花や木を植えたり、畑を作ったり、ゆくゆくはドッグランを作れたらなとも思っています。
移住を考えている方にアドバイスをお願いします

家探しの際、実際に見に行った家は10軒以上。家の値段は数百万円から億単位まで幅広いので、条件を決めて探すのがよいと思います。私たちは、海が見えて、開放感があり、せっかくの地方移住なので広い敷地内で遊べる家がいいなと思っていました。今の家は、周囲の目が気にならない傾斜地に建っており、見晴らしが本当に素敵なんですよ。
通常の家と違って、水道やガス、電気のこと、管理費のことは事前によく確認しておいた方がよいようです。別荘地ならではのシステムがあり、場所によって様々なようです。
伊東へ来てから、海岸まで歩いて散歩に行ったり、下田へ行って釣りを楽しんだり、毎日の生活がとても充実しています。ちなみに、伊豆高原は“犬高原”と言われるくらい、ドッグフレンドリーなエリア。毎日がのんびりしていて、本当に静か。通勤時間は以前に比べて少し長くなりましたが、新幹線で仕事もできますし、あまり気にならないですね。
年齢を重ねるにつれて、価値観は変わるもの。首都圏での暮らしもいいですが、不便さを楽しめる今の暮らしもとても充実しています。